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最新版|物流業界の課題とは?具体的な対策や事例を紹介!

2024年問題を始め、物流業界の課題はたくさんあります。

経済産業省等が2023年5月に実施した第10回「持続可能な物流の実現へ向けた検討会」では、荷待ち・荷役時間の削減や契約の書面化、賃金水準の向上等が課題として挙げられました。

物流業界の課題を解決するためには、現状を把握して具体的な対策案を講じることが大切です。

そこで、本記事では物流業界の課題について、具体的な対策について事例を交えて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

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目次[非表示]

1.物流業界の現状1.1.物流業界の市場規模1.2.インターネットサービスの増加で、宅配便の取り扱い個数も増加2.物流業界が抱えている課題一覧2.1.人手不足2.2.労働環境の悪化2.3.配送スピードの迅速化2.4.再配達による負担2.5.燃料費の高騰2.6.2023年4月から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げ2.7.2024年問題への対応3.国土交通省による物流課題への3つの対策案3.1.輸送網の集約3.2.輸配送の共同化3.3.モーダルシフトの導入4.物流業界による直接的な物流課題への3つの対策案4.1.物流システムを活用し業務を自動化する4.2.サプライチェーンを可視化する4.3.物流拠点を見直す5.物流課題を解決するには物流DXが重要5.1.物流DXとは?5.2.物流DXはなかなか進んでいないのが現状5.3.物流DXの手段6.物流DXの企業事例7.物流DXを導入し課題を解決しよう8.物流DX実現に「ロジスティクスサービス」をご活用ください!

物流業界の現状

物流業界の現状

物流業界の課題を解決するためには、まず現状を把握する必要があります。

以下では、物流業界の市場規模とインターネットサービスの増加に伴う影響について解説しますので、現状の課題を確認しておきましょう。

物流業界の市場規模

物流業界の市場規模は、約20兆円と言われています。

業界のマーケット調査を行っている矢野経済研究所によると、2019年度から毎年20兆円を下回ることなく、市場規模は徐々に拡大してきました。

参考:物流17業種市場に関する調査を実施(2023年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

物流業界の現状で最も目を引くのは、2020年に世界的課題となった新型コロナウイルス蔓延に伴う「おうち時間の増加」により、ECサイトを主軸とした物流需要が急増している、という点でしょう。

コロナが沈静化しつつある現在も、外出をせずに買い物ができるECサイトやオンラインサービスの利用が日常化しているため、今後も物流業界の市場規模は拡大していく見込みです。

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インターネットサービスの増加で、宅配便の取り扱い個数も増加

物流業界は新型コロナウイルスに伴う「自粛」ムードの浸透により、外出せずに買い物ができるECサイトの需要が増加しました。

リモートワークやオンライン取引が増え、日用品をインターネットで購入するだけでなく食事も宅配サービスを利用する等、在宅時間の増加による影響が現れています。

他にも、フリマアプリやハンドメイド作品の売買といった「副業」が一般的になり、個人間で宅配便を利用する機会が増えました。

このようなインターネットサービスの普及により、宅配便の取り扱い個数も増加しているのが物流業界の現状です。

物流業界が抱えている課題一覧

物流業界が抱えている課題一覧

物流業界が抱えている課題は、次の通りです。

人手不足労働環境の悪化 配送スピードの迅速化再配達による負担燃料費の高騰2023年4月から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げ 2024年問題への対応

いずれの課題も物流需要が増加したことが背景にありますが、課題を解決しない限り物流業界で働く方の負担は軽減されません。

今後、物流市場で自社のシェアを拡大し、なおかつ労働者の負担を軽減するために、現在抱えている課題を把握しておきましょう。

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人手不足

物流業界の課題として、深刻な人手不足が挙げられます。

現在の物流業界では、需要の増加や労働力の減少により、タスク量に対して適切な労働者数を確保することが難しい状態です。

人手不足は業務の遅延や品質の低下につながり、業界全体の効率性に影響を与えるため、物流業界にとって大きな課題となっています。

とくに配送ドライバーの不足によって1人あたりのタスク量が超過しており、長時間労働や求人集客率の低下等、さまざまな弊害が生じています。

また、現在活躍している配送ドライバーの平均年齢が上がっているのも、見過ごせないリスクです。

とくに、少子高齢化が進む日本では新しいドライバーが育たず、将来さらなるドライバー不足が予想されます。

人手不足を解消するために、物流業界では「労働環境の改善」や「業界全体のイメージ改革」をしなければなりません。

  ドライバー不足の原因は? 物流の2024年問題についても徹底解説! ドライバー不足は年々深刻化しており、今や社会問題になりつつあります。そこで本記事では、物流業界における人手不足の原因や2024年問題、人手不足を解決するための対策などについて詳しく解説します。 株式会社ゼンリンデータコム

労働環境の悪化

物流業界では翌日配送や送料無料、指定日配達といった利用者にとって便利なサービスが普及していますが、その反面サービスを提供する側の労働環境が悪化しています。

翌日配送や送料無料によって受注数が増えて、労働者のタスク量が増加すれば、自然と物流業界は低コストで重労働をこなさなければなりません。

指定日配達により仕事終わりの夜遅くに利用者が荷物を受け取ると、配達員が仕事を終えるのは深夜近くになり、長時間労働・深夜労働が常態化してしまいます。

利用者が気軽に物流サービスを利用できる分、業界内の労働者が重労働をこなす必要性が生じて、労働環境が悪化していることが物流業界の課題です。

配送スピードの迅速化

現代の消費者は素早い配送を求めていますが、物流業界はその要求に応えるために配送スピードを迅速化しなければならない課題に直面しています。

現代は午前中にネットショッピングで商品を購入すれば、翌日配送ができるECサイトも存在しており、物流企業の負担は計り知れません。

配送スピードの迅速化に対応するため、効率的なルート計画や効果的な在庫管理、最適化された物流ネットワークの構築等、技術的改革が必要です。

物流業界の課題を解決するために、配送スピードの迅速化を実現する革新的な手段を探求しましょう。

再配達による負担

再配達は物流業界における大きな負担です。

受取人の不在や住所の記載ミスにより商品の再配送が頻繁に発生し、労力・時間・コストを浪費しています。

利用者にとっては何度でも依頼できる再配達ですが、配送側からすると「再配達=無料で承っているサービス」なため、費用対効果が非常に悪いです。

再配達による負担を軽減するために、受け取り手続きの効率化や最適な配達ルートの確立等、再配達問題の解決策が求められています。

燃料費の高騰

物流業界には、燃料費の高騰という経済的な課題があります。

石油価格の上昇やエネルギーの需要と供給のバランス変動により、高騰する燃料費に物流業界は頭を悩ませています。

高騰する燃料費がコストの上昇につながり、業界全体の収益性を圧迫しているため大きな課題となっているのです。

持続可能な物流を実現するには、エネルギー効率の改善や代替エネルギーの導入、ルートの最適化等、燃料費の削減策が必要です。

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2023年4月から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げ

2023年4月からは労働基準法の改正により、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が25%から50%に引き上げになりました。

割増賃金率が倍になったことで、物流業界では労働負担の増加や経営コストの上昇が課題となったのです。

月60時間以内で業務を遂行できない場合、業務時間外での労働や労働時間の調整等、労働者の負担が大きくなる可能性があります。

また、企業としても人件費が高騰するため経営コストが上昇し、利益が低下する恐れがあります。

2023年4月から改正された時間外労働の割増賃金率増加に対抗するため、労働時間の適切な管理や効率化、労働力の適正配置等「労働環境の改善」や「労働生産性の向上」が必要です。

2024年問題への対応

物流業界において「2024年問題」と呼ばれる課題が生じています。

2024年問題とは働き方改革によって2024年4月1日以降、ドライバーの時間外労働の上限規制(年960時間)が適応されることにより生じる課題です。

ドライバーの労働時間が規制されることにより、物流業界の売り上げやドライバーの収入が低下し、物流コストの増加が見込まれます。

さらに時間内に膨大な個数の荷物を配送しなければならないため、無理なタスク量が生じて業務の効率化やドライバーの採用等、さまざまな課題が生じます。

働き方改革により1人あたりの業務負担が軽減するかわりに、業界全体に大きな課題が生じる2024年問題へ、どのように対応するべきか対策を講じることが重要です。

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国土交通省による物流課題への3つの対策案

国土交通省による物流課題への3つの対策案

国土交通省は物流業界の課題に対して、「改正物流総合効率化法案」を推奨しています。

改正物流総合効率化法案とは、2以上の者(法人格が別の組織)が連携して「物流業務の効率化」を向上させるための法律を指しています。

物流業界への対策案として、国土交通省は3つの方法を掲げていますので、それぞれについて確認しておきましょう。

輸送網の集約

改正物流総合効率化法案では、物流課題を解決するため輸送網の集約を推奨しています。

現在は倉庫や工場・荷捌き施設が各地に分散されており、各拠点への輸送が必要なため輸送効率が悪いです。

輸送効率を向上させるため、各設備を集約した輸送連携型倉庫の設立を推奨しています。

輸送連携型倉庫を設立すれば、輸送網を1箇所に集約できるため、運送コスト・タスクを軽減し人材不足や配送スピードの迅速化等の課題を解決することが可能です。

輸配送の共同化

改正物流総合効率化法案で、輸配送の共同化による業務の効率化が推奨されています。

分かりやすく説明すると、複数の物流企業が連携し、複数企業の商品を1台のトラックに積み込み・配送することで、輸送量の最大化と業務の効率化を図ることを指します。

従来の個々に配送する方法では、ドライバー1人あたりの負担が大きいだけでなく配送の無駄が多く、燃料費や人件費の配送コストがかかってしまい非効率です。

1台のトラックに荷物をできるだけ積み込み積載量を最大化させる、配送の帰りに様々な企業の集荷作業を行うなど効率化できれば、マンパワーや配送コストを軽減し、無駄のない配送ができ業務の効率化を図ることができます。

輸配送の共同化は人手不足や燃料費の高騰、業務効率の改善等、複数の課題を解決できる効果的な対策案として注目されています。

モーダルシフトの導入

国土交通省は改正物流総合効率化法案で、モーダルシフトの導入を推奨しています。

モーダルシフトとは、鉄道や船舶等の積載量が多い配送方法を導入し、トラックによる配送より業務効率を向上させる手法です。

鉄道や船舶を活用して配送業務を行えば、人手不足や燃料費の高騰といったさまざまな課題を解決できます。

業務を効率化させて人手不足や燃料費の課題も解決できるモーダルシフトの導入は、脱炭素が推奨される現代に必要な対策案です。

物流業界による直接的な物流課題への3つの対策案

物流業界による直接的な物流課題への3つの対策案

物流企業が業界の課題を解決するためには、次の3つの対策案を実行する必要があります。

物流システムを活用し業務を自動化するサプライチェーンを可視化する 物流拠点を見直す

それぞれの対策案を実行できれば、物流課題を解決できます。

物流業界による直接的な課題への対策案を確認して、実行すべきか検討してください。

物流システムを活用し業務を自動化する

物流業界が抱えている課題を解決するため、多くの企業が「物流システムを活用して業務を自動化する手法」を導入しています。

物流課題の解決には、デジタル技術と自動化による業務効率化が重要です。

具体的には、物流プロセスを自動化して業務の効率を飛躍的に向上させる「追跡システム」や「インベントリ管理システム」等が挙げられます。

また、人工知能や機械学習を活用して予測分析や最適ルートの特定等を行えば、より配送効率が改善されて人的リソースを軽減することが可能です。

サプライチェーンを可視化する

物流課題を解決するため、サプライチェーンの可視化が求められます。

サプライチェーンとは、商品が消費者の手に届くまでの供給プロセスのことで、原材料の調達から製造、配送までどのような企業が関わり、どのような手順で行われているのか可視化することです。

サプライチェーンの一連の流れを可視化し、透明性と効率性を高められると業務改善・効率化ができるため、物流課題の解決が期待できます。

情報共有の改善やリアルタイムの追跡システムを導入して、商品の在庫や配送ルートを可視化し、業務効率を向上させましょう。

物流拠点を見直す

物流課題を解決する対策案として、物流拠点を見直す方法もひとつの手です。

物流拠点を新しく設けるには膨大な初期費用がかかりますが、以下のようなさまざまなメリットが得られます。

効率の向上在庫管理の改善災害対策顧客満足度の向上

全国配送をする企業なら東海圏や首都圏に物流拠点を設けることで、どこへでも配送しやすい物流ルートを構築できます。

また、物流拠点を増やすことで在庫の管理・各地への配送がしやすくなるため、長距離走行の課題解決にもつながります。

災害が起きた際にも複数の拠点があれば、完全な業務停止に陥るリスクを減らすことができます。

物流拠点の見直しは業務の効率化だけでなく、災害対策や物流の停滞を防止して顧客満足度を向上させられる対策案です。

物流課題を解決するには物流DXが重要

物流課題を解決するには物流DXが重要

さまざまな対策案を紹介しましたが、「物流DX」も物流業界の課題解決に欠かせない要素です。

物流DXの概要や具体的な手段を理解して、物流課題の解決に活用しましょう。

物流DXとは?

DXとは、機械やテクノロジーを活用して物流効率を向上させることを指します。

システムやテクノロジーを導入すれば、業務を効率化させ人的リソースを軽減できます。

物流課題である人手不足や長時間労働による労働環境の悪化等、さまざまな課題を解決するには物流DXの導入が必要不可欠です。

ただし、物流DXの目的は機械やテクノロジーの力を活用して業務効率を向上させることなので、システムや機材を導入するだけでは十分とは言えません。

物流DXはなかなか進んでいないのが現状

物流課題を解決へと導く物流DXですが、現状はなかなかDX化が進んでいません。

物流DXの導入が進んでいない理由は、既存システムとの互換性や導入・運営コストが大きなハードルになっているからです。

従来の方法で問題なく物流業務を遂行できてきた労働者からすると、新しいシステムを導入する必要性が感じられず、無駄なコストやシステム操作に慣れる手間を敬遠する方が多いのでしょう。

また既存システムとの互換性だけでなく、データプライバシーやセキュリティの問題もあり、物流DXの導入がなかなか進んでいません。

物流業界に携わるすべての労働者が、現状の課題を把握して物流DXの必要性を理解することが重要です。

物流DXの手段

物流DXの手段としては、機械を導入する方法と業務をデジタル化する方法の2種類があります。

機械やシステムの導入により、人的リソースを軽減できれば人手不足を解消し、業務を効率化できます。

それぞれの物流DXの具体的な手段は、次の通りです。

▼物流の機械化事例

ドローンによる自動搬送自動運航船による配送倉庫内作業の自動化自動配達ロボの導入

▼物流のデジタル化事例

配送手続きのデジタル化配車管理のデジタル化トラック予約システムの導入AIによる配車計画の生成

物流業界の課題を解決するため、物流DXを活用して人的リソースを軽減してください。

物流DXの企業事例

物流DXの企業事例

物流DXの企業事例としては、「令和4年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」においての「物流DX・標準化表彰」を受賞した事例をご紹介します。

江崎グリコ・ゼンリンデータコム・鴻池運輸・ライナロジクス・誠和・ダイセーエブリー二十四の各社が協力し、納品条件が厳しく効率化が困難なチルド販売物流の配送ルート効率化を行いました。

従来は担当者の経験に基づいて作成していた配送ルートが、AIシステムを導入することで、誰もが最適化したルートでチルド製品を配送できるようになった成功事例です。

AIシステムの導入により配送ルートの最適化の他にも、車両台数の軽減・積載量の最大化・CO2等排気ガス削減が実現しました。

↓本取り組みに関連したお問い合わせは以下よりご連絡ください

参考:経済産業省「令和4年度物流パートナーシップ優良事業概要」

物流DXを導入し課題を解決しよう

物流DXを導入し課題を解決しよう

人手不足や長時間労働、業務の効率化や燃料費の高騰等、物流業界の課題はたくさんあります。

業務を効率化し人的リソースを削減するためには、物流DXの導入が求められます。

従来の配送方法を見直し、AIシステムやドローンといった最新機器を導入できれば、より効率的かつ安定的に物流業を遂行できるでしょう。

今後も需要が増加する物流業界の課題を解決するため、物流DXの導入をご検討ください。

物流DX実現に「ロジスティクスサービス」をご活用ください!

「物流DXは導入したいが、社内に有識者がいない…」という場合は、トータルサポートが受けられるゼンリンデータコムの「ロジスティクスサービス」をご検討ください。

ベテラン配車マンのノウハウを蓄積した「AI自動配車」を活用することで、最適な配車計画による業務の効率化が可能です。

さらに、目的地・到達地点への最適なルート案内ができる「ナビゲーションアプリ」によって、より低コストでの配送を実現します。

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